文鳥

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その一本を軽く踏まえた足を見るといかにも華奢にできている。細長い薄紅の端に真珠を削ったような爪が着いて、手頃な留り木を甘く抱え込んでいる。すると、ひらりと眼先が動いた。文鳥はすでに留り木の上で方向を換えていた。しきりに首を左右に傾ける。傾けかけた首をふと持ち直して、心持前へ伸したかと思ったら、白い羽根がまたちらりと動いた。文鳥の足は向うの留り木の真中あたりに具合よく落ちた。ちちと鳴く。そうして遠くから自分の顔を覗き込んだ。

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便所べんじょ行っいっついで気がかりきがかりからねんため一応いちおう縁側えんがわ廻っまわっ見るみる かごばこうえから落ちおちいる
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自分じぶん手紙てがみふで留めとめ
文鳥ぶんちょうまたちち鳴いない
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手紙てがみそれぎり裂いさい捨てすて
翌日よくじつ文鳥ぶんちょうまた鳴かなかなくなっ
留りとまり下りくだりかごそこはら圧しおしつけ
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三重吉みえきち逢っあっ見るみるれいけんいろいろ長くながくなっいっしょ午飯ごはん食うくう
いっしょ晩飯ばんめし食うくう
そのうえ明日あす会合かいごうまで約束やくそくたく帰っかえっ
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帰っかえっ午後ごごさんころある
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けれど文鳥ぶんちょうかごそこ反っ繰り返っそっくりかえっ
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えさつぼぞくからばかり溜ったまっいる
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水入みずいりそこ光るひかるほど涸れかれいる
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そらなっえさつぼ眺めながめ
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そうそのした横わるよこたわる硬いかたい文鳥ぶんちょう眺めながめ
自分じぶんこごん両手りょうて鳥籠とりかご抱えかかえ
そう書斎しょさい持っもっ這入っはいっ
じゅうたたみ真中まなか鳥籠とりかご卸しおろしそのまえかしこまっかご開いひらい大きなおおきな入れいれ文鳥ぶんちょう握っにぎっ
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こぶしかごから引き出しひきだし握っにぎっ開けるあける文鳥ぶんちょうせいてのひらうえある
自分じぶん開けあけまましばらく死んしんとり見つめみつめ
それからそっと座布団ざふとんうえ卸しおろし
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自分じぶんいきなり布団ふとんうえある文鳥ぶんちょう握っにぎっ小女こおんなまえ抛り出しほうりだし
小女こおんな俯向いうつむいたたみ眺めながめまま黙っだまっいる
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家人けにんえさやらないものから文鳥ぶんちょうとうとう死んしんしまったのみものかご入れいれしかもえさやる義務ぎむさえ尽くさつくさない残酷ざんこく至りいたり云ういう文句もんくあっ
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庭下駄にわげた穿いはい日影ひかげしも踏み砕いふみくだい近づいちかづい見るみるこうさつひょうこの土手どて登るのぼるべからあっ
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午後ごご三重吉みえきちから返事へんじ
文鳥ぶんちょう愛想あいそこと致しいたしましあるばかり家人けにん悪いわるい残酷ざんこくいっこう書いかいなかっ
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