硝子戸の中

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不愉快ふゆかい充ちみち人生じんせいとぼとぼ辿りたどりつつあるわたくし自分じぶんいつ一度いちど到着とうちゃくなけれならないいう境地きょうちついつね考えかんがえいる
そうそのいうものなまよりらくものばかり信じしんじいる
あるそれ人間にんげん達したっし得るうる最上さいじょう至高しこう状態じょうたい思うおもうことある
なまよりみこと こういう言葉ことば近頃ちかごろ絶えたえわたくしむね往来おうらいするようなっ
しかし現在げんざいわたくしいままのあたり生きいきいる
わたくし父母ふぼわたくし祖父母そふぼわたくし曾祖父母そうそふぼそれから順次じゅんじぼっひゃくねん二百にひゃくねん乃至ないしせんねんまんねん馴致じゅんち習慣しゅうかんわたくしいちだい解脱げだつすることできないわたくし依然いぜんこのなま執着しゅうちゃくいるある
からわたくしほか与えるあたえる助言じょげんどうこのなま許すゆるす範囲はんいうちおいなけれすまないよう思うおもう
どういうかぜ生きいき行くいくいう狭いせまい区域くいきなかばかりわたくし人類じんるい一人ひとりほか人類じんるい一人ひとり向わむかわなけれならない思うおもう
すでになまなか活動かつどうする自分じぶん認めみとめまたそのなまなか呼吸こきゅうする他人たにん認めるみとめる以上いじょう互いたがい根本こんぽんいかに苦しくくるしくいかに醜くみにくくこのなまうえ置かおかもの解釈かいしゃくする当り前あたりまえあるから
もし生きいきいる苦痛くつうなら死んしんだら好いよいでしょう こう言葉ことばどんな情なくなさけなく観ずるかんずるひとくちから聞きききとくないだろう
医者いしゃなど安らかやすらかねむりむこうする病人びょうにんわざと注射ちゅうしゃはり立てたて患者かんじゃ苦痛くつう一刻いっこく延ばすのばす工夫くふう凝らしこらしいる
こんな拷問ごうもん近いちかい所作しょさ人間にんげん徳義とくぎ許さゆるさいるいかに根強くねづよく我々われわれなまいち執着しゅうちゃくいる解るわかる
わたくしついにそのひとすすめることできなかっ
そのひととても回復かいふく見込みみこみつかないほど深くふかく自分じぶんむね傷けきずつけられ
同時どうじそのきず普通ふつうひと経験けいけんないようくし思い出おもいでしゅなっそのひとめん輝やかしかがやかし
彼女かのじょそのくしもの宝石ほうせきごとく大事だいじ永久えいきゅう彼女かのじょむねおく抱き締めだきしめたがっ
不幸ふこうそのくしいもとり直さなおさ彼女かのじょ以上いじょう苦しめるくるしめる手傷てきずそのものあっ
ものかみ裏表うらおもてごとくとうてい引き離せひきはなせないある
わたくし彼女かのじょ向っむかっすべて癒すいやす流れながれ従っしたがっ下れくだれ云っいっ
彼女かのじょもしそうたらこの大切たいせつ記憶きおくしだい剥げはげ行くいくだろう嘆いなげい
公平こうへい大事だいじ宝物ほうもつ彼女かのじょから奪ううばう代りかわりその傷口きずぐちしだい療治りょうじくれるある
烈しいはげしいなま歓喜かんきゆめよう暈しぼかししまう同時どうじいま歓喜かんき伴なうともなう生々しいなまなましい苦痛くつう取り除けるとりのぞける手段しゅだん怠たらおこたらないある
わたくし深いぶかい恋愛れんあい根ざしねざしいる熱烈ねつれつ記憶きおく取り上げとりあげ彼女かのじょ創口そうこうから滴るしたたる血潮ちしお拭わぬぐわしめよう
いくら平凡へいぼん生きいき行くいくほう死ぬしぬよりわたくしから彼女かのじょ適当てきとうだっからある
かくつねなまより尊いとうとい信じしんじいるわたくし希望きぼう助言じょげんついにこの不愉快ふゆかい充ちみちなまいうもの超越ちょうえつすることできなかっ
しかもわたくしそれ実行じっこううえおけ自分じぶん凡庸ぼんよう自然主義者しぜんしゅぎしゃ証拠しょうこ立てたてよう見えみえならなかっ
わたくしいま半信はんしん半疑はんぎじっと自分じぶんこころ眺めながめいる
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