草枕

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夕暮ゆうぐれつくえ向うむこう
障子しょうじふすま開け放つあけはなつ
宿やどひと多くおおくあらうえいえ割合わりあい広いひろい
住むすむ部屋へや多くおおくあらひとひとらしく振舞うふるまうさかいいくきょく廊下ろうか隔てへだてたれものおとさえ思索しさくはんなら
今日きょう一層いっそう静かしずかある
主人しゅじんむすめ下女げじょ下男げなん知らしらわれ残しのこし立ち退いたちのい思わおもわれる
立ち退いたちのいすれただところ立ち退きたちのき
かすみくにくもくにあろう
あるいはくもみず自然しぜん近づいちかづいかじとるさえものぐさうみうえいつ流れながれ心づかこころづか白いしろいくもともみずとも見分けみわけ難きがたきさかい漂いただよい果てはてみずからいずこ己れおのれくもみずより差別さべつべき苦しむくるしむあたりそんな遥かはるかところ立ち退いたちのい思わおもわれる
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とにかく静かしずかもの
そらしきいえ空しくむなしく抜けるぬける春風しゅんぷう抜けぬけ行くいく迎えるむかえるひと義理ぎりない
拒むこばむものめんとうない
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てのひらあご支えささえたるこころわが住むすむ部屋へやごとく空しけれむなしけれ春風しゅんぷう招かまねか遠慮えんりょなく行きいき抜けるぬけるあろう
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かれらくもの着するちゃくするない
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されどわれ動いうごいいる
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ただなんなく動いうごいいる
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