道草

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その六畳敷の狭い畳の上に自分のする事が山のように積んであるような気持でいるのである。けれども実際からいうと、仕事をするよりも、しなければならないという刺戟の方が、遥かに強く彼を支配していた。自然彼はいらいらしなければならなかった。

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かれ遠いとおいところから持っもっ書物しょもつばここのろくたたみなか開けあけかれやまよう洋書ようしょ胡坐こざかいいち週間しゅうかん週間しゅうかん暮らしくらし
そうなん触れるふれるもの片端かたはしから取り上げとりあげさんぺーじずつ読んよん
それため肝心かんじん書斎しょさい整理せいり何時なんじまで経っきょうっ片付かかたづかなかっ
しまいこの体たらくていたらく見るみるかねある友人ゆうじん順序じゅんじょ冊数さっすう頓着とんちゃくなくあるだけ書物しょもつさっさと書棚しょだなうえ並べならべしまっ
かれ知っしっいる多数たすうひとかれ神経しんけい衰弱すいじゃく評しひょうし
かれ自身じしんそれ自分じぶん性質せいしつ信じしんじ
さん
健三けんぞう実際じっさいそのその仕事しごと追わおわ
いえ帰っかえっから気楽きらく使えるつかえる時間じかん少しすこしなかっ
そのうえかれ自分じぶん読みよみたいもの読んよんだり書きかきたいこと書いかいたり考えかんがえたい問題もんだい考えかんがえたりたかっ
それかれこころ殆んどほとんど余裕よゆういうもの知らしらなかっ
かれ始終しじゅうつくえまえこびり着いこびりつい
娯楽ごらく場所ばしょ滅多めったあし踏み込めふみこめないくらい忙がしいそがしがっいるかれある友達ともだちからうたい稽古けいこ勧めすすめられからだよくそれ断わっことわっかれこころうち他人たにんどうそんなひまあるだろう驚ろいおどろい
そう自分じぶん時間じかん対するたいする態度たいどあたかも守銭しゅせんやつそれ似通っにかよっいることまるでつかなかっ
自然しぜん勢いいきおいかれ社交しゃこう避けさけなけれならなかっ
人間にんげん避けさけなけれならなかっ
かれあたま活字かつじ交渉こうしょう複雑ふくざつなれなるほどひとかれ孤独こどく陥らおちいらなけれならなかっ
かれ朧気おぼろきその淋しさびし感ずるかんずる場合ばあいさえあっ
けれど一方いっぽうまたこころそこ異様いようねつかたまりあるいう自信じしん持っもっ
から索寞さくばくたる曠野こうや方角ほうがく向けむけ生活せいかつみち歩いあるい行きいきながらそれかえって本来ほんらいばかり心得こころえ
温かいあたたかい人間にんげん枯らしからし行くいく決してけっして思わおもわなかっ
かれ親類しんるいから変人へんじん扱いあつかい
しかしそれかれ取っとっ大したたいした苦痛くつうならなかっ
教育きょういく違うちがうから仕方しかたない かれはらなかつねこういう答弁とうべんあっ
やっぱり手前味噌てまえみそ これ何時なんじ細君さいくん解釈かいしゃくあっ
気の毒きのどくこと健三けんぞうこう細君さいくん批評ひひょう超越ちょうえつすること出来できなかっ
そういわれる不味いまじいかお
ある自分じぶん理解りかいない細君さいくんこころから忌々しくいまいましく思っおもっ
ある叱り付けしかりつけ
またある頭ごなしあたまごなし遣り込めやりこめ
するかれ癇癪かんしゃく細君さいくんみみそら威張いばりするひと言葉ことばよう響いひびい
細君さいくん手前味噌てまえみそよん大風呂敷おおふろしきよん訂正ていせいする過ぎすぎなかっ
かれ一人ひとりはらあね一人ひとりあにあるぎりあっ
親類しんるいいっところこののきよりそと持たもたないかれ不幸ふこう
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