道草

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その十日を利用しようとした。彼はまた洋筆を執って原稿紙に向った。

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健康けんこう次第しだい衰えおとろえつつある不快ふかい事実じじつ認めみとめながらそれ注意ちゅうい払わはらわなかっかれ猛烈もうれつはたらけ
あたかも自分じぶん自分じぶん身体しんたい反抗はんこうするようあたかもわが衛生えいせい虐待ぎゃくたいするようまた己れおのれ病気びょうき敵討かたきうちたいよう
かれ餓えうえ
しかもほか屠るほふること出来できないやむ自分じぶん啜っすすっ満足まんぞく
予定よてい枚数まいすう書きかきおえかれふで投げなげたたみうえ倒れたおれ
ああああ かれけもの同じおなじようこえ揚げあげ
書いかいものきん換えるかえるだんなっかれ大したたいした困難こんなん遭遇そうぐう済んすん
ただどんな手続きてつづきそれ島田しまだ渡しわたし好いよいちょっと迷っまよっ
直接ちょくせつ会見かいけんかれ好まこのまなかっ
向うむこうもうさん上りのぼりませいい放っいいはなっ最後さいご言葉ことば対したいしかれまえ来るくるないこと知れしれ
どうなか入っはいっ取り次ぐとりつぐひと必要ひつようあっ
やっぱり兄さんあにさん比田ひでんさん頼みたのみなさるよりそと仕方しかたないでしょう今までいままで行掛りいきがかりあるからまあそうする一番いちばん適当てきとうところだろうあんまり有難くありがたくない公けおおやけ他人たにん頼むたのむほどことないから 健三けんぞう津守つもりさかかかり行っいっ
ひゃくえん遣るやる 驚ろいおどろいあね勿体もったいなさそう丸くまるく健三けんぞう
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けど正月しょうがつ早々はやばや御前ごぜんさん随分ずいぶん好いよい面の皮つらのかわ好いよい面の皮つらのかわこい滝登りたきのぼり 先刻せんこくからそば胡坐こざかい新聞しんぶん比田ひでんこの始めはじめくち利いきい
しかしその言葉ことばあね通じつうじなかっ
健三けんぞう解らわからなかっ
それさも心得顔こころえかおあはは笑うわらうあねほう健三けんぞうかえって可笑しかっおかしかっ
けんちゃん好いよいきん取ろうとろうすれいくら取れるとれるからこちとら少しすこしあたま寸法すんぽう違うちがう右大将みぎたいしょう頼朝よりともこう髑髏どくろいるから 比田ひでん変梃へんてこことばかりいっ
しかし頼んたのんこといちなく引き受けひきうけくれ
百二ひゃくに
比田ひでんあに揃っそろっ健三けんぞうたく訪問ほうもんつき半ばなかばころあつ
松飾まつかざり取り払わとりはらわ往来おうらいまだどこなく新年しんねんこう
くれはるない健三けんぞう座敷ざしきなか坐っすわっ二人ふたりおち付かつかないようそのところいら見廻しみまわし
比田ひでんふところから書付かきつけばい出しだし健三けんぞうまえ置いおい
まあこれ漸くようやくかた付きつきまし
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