道草

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その二階の上も下も、健三の眼には同じように見えた。廊下で囲まれた中庭もまた真四角であった。

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五十一ごじゅういち
かれ冴えさえいるわりかれあたま澄みすみ渡らわたらなかっ
かれ思索しさくつな中断ちゅうだんひとよう考察こうさつ進路しんろ遮ぎるさえぎるきりなか苦しんくるしん
かれ明日あすあさ多くおおくひとよりいちだん高いたかいところ立たたたなけれならない憐れあわれ自分じぶん姿すがた想いおもい
その憐れあわれ自分じぶんかお熱心ねっしん見詰めみつめたりまた不得意ふとくい自分じぶんいうこと真面目まじめ筆記ひっきたりする青年せいねん対したいし済ますまない
自分じぶん虚栄心きょえいしん自尊心じそんしん傷けるきずつけるそれ超越ちょうえつすること出来できないかれ大きなおおきな苦痛くつうあっ
明日あす講義こうぎまた纏まらまとまらないかしら こう思うおもうかれ自分じぶん努力どりょくきゅういやなっ
愉快ゆかい考えかんがえ筋道すじみち運んはこん折々おりおり何者なにもの煽動せんどう起るおこるおのれあたま悪くわるくないいう自信じしんおのれぼけ忽ちたちまち消えきえしまっ
同時どうじこのあたま働らきはたらき乱すみだす自分じぶん周囲しゅういつい不平ふへい常時じょうじより高まったかまっ
かれしまい投げるなげるようようふで放り出しほうりだし
もうやめどう構わかまわない 時計とけいもう一時いちじ過ぎすぎ
洋燈らんぷ消しけし暗闇くらやみ縁側えんがわ伝いつたい廊下ろうか出るでる突当りつきあたりおく障子しょうじばいだけあかり映っうつっ明るかっあかるかっ
健三けんぞう
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