道草

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その一枚には百円受取った事と、向後一切の関係を断つという事が古風な文句で書いてあった。手蹟は誰のとも判断が付かなかったが、島田の印は確かに捺してあった。

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健三けんぞうしかるうえ後日ごじつ至りいたりこうため誓約せいやくけん如しごとしいう言葉ことば馬鹿ばかながら黙読もくどく
どう手数てすうでしありがとうこういう証文しょうもんさえ入れいれさせ置けおけもう大丈夫だいじょうぶからそれない何時なんじまで蒼蠅さばえ付けつけ纏わらまつわられる分っわかっもんじゃないねえながさんそうこれ漸くようやく一安心いちあんしん出来できようもの 比田ひでんあに会話かいわ少しすこし感銘かんめい健三けんぞう与えあたえなかっ
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私儀しぎ今般こんぱん貴家きか離縁りえんそうせい実父じっぷより養育よういくりょう差出さしだしこうつい今後こんごともたがい不実ふじつ不人情ふにんじょうそうせいざるよう心掛こころがけたくありこう 健三けんぞう意味いみ論理ろんり能くよく解らわからなかっ
それ売り付けよううりつけよういう向うむこうはらつまりひゃくえん買っかっ遣っつかっようもの 比田ひでんあにまた話し合っはなしあっ
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健三けんぞう彼女かのじょところおけ咎めとがめない代りかわり賞めるほめるならなかっ
まあ好かっよかっあのひとだけこれかた付いつい 細君さいくん安心あんしんいわばかり表情ひょうじょう見せみせ
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じゃどうすれ本当ほんとう片付くかたづくです世の中よのなか片付くかたづくなんてもの殆んどほとんどありゃない一遍いちぺん起っおこっこと何時なんじまで続くつづくただ色々いろいろかたち変るかわるからほか自分じぶん解らわからなくなるだけこと 健三けんぞう口調くちょう吐き出すはきだすよう苦々しかっにがにがしかっ
細君さいくん黙っだまっ赤ん坊あかんぼう抱き上げだきあげ
おお好いよい好いよい父さまちちさまあおぐことなんちっとも分りゃわかりゃない 細君さいくんこういいいい幾度いくど赤いあかいほお接吻せっぷん
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