虞美人草

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十三

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太いふとい角柱かくばしらほん立てたてもん云ういう
とびらあるない分らわからない
夜中よなか郵便ゆうびん書いかい板塀いたべいあなあいいるところ見るみるよる締りしまりするらしい
正面しょうめん芝生しばふ土饅頭どまんじゅう盛り上げもりあげ遮ぎるさえぎるみどりかさ張るはるまつかくごとく植えるうえる
まつ廻れまわれ弧線こせん描いえがいあたまうえ合うあう玄関げんかんひさし浮彫うきぼりなみ見えるみえる
障子しょうじ明け放っあけはなっままある
呑気のんき白襖しろぶすま舞楽ぶがくめんほど草体そうたい大雅たいがどうりゅう筆勢ひっせい無残むざん書き散らしかきちらし座敷ざしき仕切しきりする
甲野こうのさん玄関げんかんみぎ切れきれ下駄箱げたばこ透いすい見えるみえる格子こうしそろり明けあけ
細いほそいつえさきあわせつちうえこちこち叩いたたい立ったっいる
頼むたのむともなん云わいわ
無論むろん応ずるおうずるものない
屋敷やしきなかひと住むすむ気合きあい見えみえほどにしんいる
門前もんぜん通るとおるくるまほうかえって賑やかにぎやか聞えるきこえる
細いほそいつえさきこちこち鳴るなる
やがて静かしずかうちすう唐紙とうし明くあくおとする
きよしきよし下女げじょ呼ぶよぶ
下女げじょないらしい
足音あしおと勝手かってほう近づいちかづい
つえさきこちこち云ういう
足音あしおと勝手かってから内玄関ないげんかんほう抜け出しぬけだし
障子しょうじあく
糸子いとこ甲野こうのさんかお見合せみあわせ立ったっ
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