虞美人草

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やなぎ条々じょうじょうけむりらん吹き込むふきこむほどあめある
衣桁いこう懸けかけこん背広せびろ暗くくらく下がるさがるした黒いくろい靴足袋くつたび三分一さんぶんいち裏返しうらがえし丸くまるく蹲踞そんきょっている
違棚ちがいだな狭いせまいうえ偉大いだい頭陀袋ずだふくろ据えすえ締括りしめくくりないひもだらだら垂らしたらし傍らかたわられんこなしろ楊子ようじ御早うおはよう挨拶あいさついる
立てたて切っきっ障子しょうじ硝子がらす通しとおし白いしろいあめいと細長くほそながく光るひかる
京都きょうというところいや寒いさむいところ宗近むねちかきみかし浴衣ゆかたうえ銘仙めいせん丹前たんぜん重ねかさね床柱とこばしらまつ背負せおい傲然ごうぜんかいままそと覗きのぞきながら甲野こうのさん話しかけはなしかけ
甲野こうのさん駱駝らくだ膝掛ひざかけこしからした掛けかけ空気枕くうきまくらうえ黒いくろいあたまぶくつか寒いさむいより眠いねむいところ云いいいながらちょっとかおむかい換えるかえるくし入れたていれたて濡れぬれあたま空気くうき弾力だんりょく脱ぎ棄てぬぎすて靴足袋くつたびいっしょなる
ばかりいるまるできみ京都きょうとようものうんじつ気楽きらくところ気楽きらくなっまあ結構けっこう母さんははさん心配しんぱいふんふん挨拶あいさつこれきみ気楽きらくせるついひと知らしらない苦労くろういるきみあのがく読めるよめるなるほどみょうあめかぜことないなんひとひらたからひとどうするだろういらざる書きかきやがる元来がんらい何者なにもの分らわから分からぶんからいいそれよりこのふすま面白いおもしろい一面いちめん金紙きんがみ張り付けはりつけところ豪勢ごうせいところどころしわ寄っよってる驚ろいおどろいまるで緞帳どんちょう芝居しばい道具どうぐたてようそこ持っもったけのこさんほん景気けいき描いえがいどう云ういう了見りょうけんだろうなあ甲野こうのさんこれなぞなん云ういうなぞそれ知らしら意味いみ分からぶんからないもの描いえがいあるからなぞだろう意味いみ分からぶんからないものなぞならじゃない意味いみあるからなぞところ哲学者てつがくしゃなんてもの意味いみないものなぞ思っおもっ一生懸命いっしょうけんめい考えかんがえてる気狂きちがい発明はつめい詰将棋つめしょうぎ青筋あおすじ立てたて研究けんきゅういるようものじゃこのたけのこ気違きちがい画工がこう描いえがいだろうハハハハははははそのくらい事理じり分っわかったら煩悶はんもんなかろう世の中よのなかたけのこいっしょなるものきみ昔話むかしばなしゴージアンごーじあんノットのっと云ういうあるじゃない知っしってるひと中学生ちゅうがくせい思っおもってる思っおもっなくっまあ聞いきい見るみる知っしってるなら云っいっ見ろみろうるさい知っしってるから云っいっ御覧ごらんなさい哲学者てつがくしゃなんてものよくごまかすものなん聞いきい知らしらない白状はくじょう出来できない執念しゅうねん深いぶかい人間にんげんからどっち執念しゅうねん深いぶかい分りゃわかりゃないどっちいいから云っいっ御覧ごらんゴージアンごーじあんノットのっと云ういうアレキサンダーあれきさんだー時代じだい話しはなしうん知っしってるそれゴージアスごーじあす云ういう百姓ひゃくしょうジュピターじゅぴたーかみくるま奉納ほうのうところやおや少しすこし待っまっそんなことあるそれからそんなことあるってきみ知らしらないそこまで知らしらなかっなん自分じぶんこそ知らしらないくせハハハハはははは学校がっこう習っならっ教師きょうしそこまで教えおしえなかっあの教師きょうしそこまできっと知らしらないないところその百姓ひゃくしょうくるまながえ横木おうぼくつる結いゆい結び目むすびめだれどう解くとくこと出来できないあるほどそれゴージアンごーじあんノットのっと云ういうそうそのけつアレキサンダーあれきさんだー面倒臭いめんどうくさいってかたな抜いぬい切っきっちまっうんそうアレキサンダーあれきさんだー面倒臭いめんどうくさいなん云やいやないそりゃどういいこのけつ解いといもの東方とうほうみかどたら云ういう神託しんたく聞いきいときアレキサンダーあれきさんだーそれならこうするばかり云っいっそこ知っしってるそこ学校がっこう先生せんせい教わっおそわっところそれじゃそれいいじゃないいい人間にんげんそれならこうするばかり云ういう了見りょうけんなくっちゃ駄目だめ思うおもうそれよかろうそれよかろうじゃ張り合はりあいないゴージアンごーじあんノットのっといくら考えかんがえって解けとけっこ無いないもの切れきれ解けるとける切れきれ解けとけなくっまあ都合つごういい都合つごう世の中よのなか都合つごうほど卑怯ひきょうものないするアレキサンダーあれきさんだー大変たいへん卑怯ひきょうおとこなるわけアレキサンダーあれきさんだーなんかそんな豪いえらい思っおもってる 会話かいわちょっと切れきれ
甲野こうのさん寝返りねがえり打つうつ
宗近むねちかきみまま旅行りょこう案内あんないひろげる
あめ斜めななめ降るふる
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ただむかしながら春雨はるさめ降るふる
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宗近むねちかきみただ漫然まんぜん聴いきいいるばかりある
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往来おうらい転がっころがっいる表情ひょうじょう違うちがう
くび出しだし浮世うきよつけすぐ奥の院おくのいん引き返すひきかえす
引き返すひきかえすまえ捕まえつかまえひと勝ちかちある
捕まえつかまえ損なえそこなえ生涯しょうがい甲野こうのさん知るしること出来でき
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そのおとなしいうちその速かすみやかなるうちその消えきえ行くいくうち甲野こうのさん一生いっしょう明かあきらか描き出さえがきださいる
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おのれさえおのれ欺くあざむくどこ潜んひそんいるよう気持きもち免かれまぬかれもの無二むに友達ともだち云えいえ父方ちちかた縁続きえんつづき云えいえ迂濶うかつ天機てんき洩らしもらしがたい
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ひるぜんうえ宗近むねちかきみ予言よげん通りとおりはも
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