明暗

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その二組は双方ともに相当の扮装をした婦人づれなので、室内は存外静かであった。ことに一間ほど隔てて、二人の横に置かれた瓦斯煖炉の火の色が、白いものの目立つ清楚な室の空気に、恰好な温もりを与えた。

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百五十七ひゃくごじゅうなな
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百五十八ひゃくごじゅうはち
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百五十九ひゃくごじゅうきゅう
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百六十ひゃくろくじゅう
小林こばやし旨くうまく津田つだ釣りつり寄せよせ
それ知っしっ津田つだ考えかんがえある小林こばやしわざと釣りつり寄せよせられ
二人ふたりとうとう際どいきわどいところ入り込まはいりこまなけれならなくなっ
例えばたとえばかれ云いいい出しだし
きみあの清子きよこさんいうおんな熱中ねっちゅうたろうひとしきりなんあのおんななけりゃならないようこと云っいったろうそればかりじゃない向うむこう天下てんかきみ一人ひとりよりほかおとこない思っおもってるよう解釈かいしゃくたろうところどうだい結果けっか結果けっかいまごとく大変たいへん淡泊たんぱくりしいるじゃないってほかようなかろういやあるだろうあっおつ気取っきどっ澄ましすましいるだろうなけれぼく隠しかくしいまなんやってるだろう馬鹿ばかいうそんな出鱈目でたらめむやみ口走るくちばしるとんだなる少しすこしつけくれじつ云いいいかけ小林こばやしその後そのあと知っしってる云わいわばかり様子ようす
津田つだすぐ訊きききたくなっ
じつどうじつこのきみ細君さいくんすっかり話しはなしちまっ 津田つだ表情ひょうじょうたちまち変っかわっ
なん 小林こばやし相手あいて調子ちょうし顔つきかおつき噛んかん味わいあじわいするようしばらくおい黙っだまっ
しかし返事へんじひょう出しだしもう態度たいど一変いっぺん
うそじつうそそう心配しんぱいすることない心配しんぱいないいまなっそのくらいこと云ついつけらって心配しんぱいない そうじゃこっち本当ほんとうじつ本当ほんとうみんな話しはなしちまっ馬鹿ばか 津田つだこえ案外あんがい大きかっおおきかっ
行儀ぎょうぎよく椅子いすこしかけ給仕きゅうじおんなちょっとくび上げあげこっち向けむけ小林こばやしすぐそれ材料ざいりょう
貴婦人きふじん驚ろくおどろくから少しすこし静かしずかくれきみよう無頼漢ぶらいかんいっしょさけ飲むのむどう外聞がいぶん悪くわるくいけない かれきゅう使おんなほう微笑びしょう見せみせ
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津田つだいちひと怒るおこるわけ行かいかなかっ
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なるほどそう云えいえそんなものか知らかしらしかしなんおかしい実際じっさいぼくちっともその余裕よゆうなるものまえあたま下げさげてるないものじゃ返しかえしくれ 津田つだ小林こばやしはなさき出しだし
小林こばやしおんなよう柔らかやわらかそうそのてのひら
いや返さかえさない余裕よゆうぼく返せかえせ云わいわない 津田つだ笑いわらいながら引き込めひきこめ
それみろなんそれみろ余裕よゆうぼく返せかえせ云わいわないいう意味いみきみよく解らわからない見えるみえる気の毒きのどくなる貴公子きこうし 小林こばやしこう云いいいながらよこ向いむかい戸口とぐちほうつつまた一句いっく付け加えつけくわえ
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だれ来るくるだれないぼくよりまだ余裕よゆう乏しいとぼしいひと来るくる 小林こばやしはだかまま紙幣しへいしまい込んしまいこん自分じぶんいんふくろわざとらしく軽くかるく叩いたたい
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ぼく余裕よゆうまえあたま下げるさげるぼく矛盾むじゅん承認しょうにんするきみ詭弁きべん首肯しゅこうするなん構わかまわないれい云ういう感謝かんしゃする かれ突然とつぜんぽたぽたなみだ落しおとし始めはじめ
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