こころ

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きゅうつき始めはじめなっわたくしいよいよまた東京とうきょう出ようでよう
わたくしちち向かっむかっ当分とうぶん今までいままで通りとおり学資がくし送っおくっくれるよう頼んたのん
こここうってあなたおっしゃる通りとおり地位ちいとくられるものじゃないですから わたくしちち希望きぼうする地位ちい得るうるため東京とうきょう行くいくようこといっ
無論むろんくち見付かるみつかるまで好いよいですからいっ
わたくしこころうちそのくち到底とうていわたくしあたまうえ落ちおちない思っおもっ
けれど事情じじょううといちちまたあくまでその反対はんたい信じしんじ
そりゃわずかことだろうからどう都合つごうやろうその代りかわり永くながくいけない相当そうとう地位ちいとく次第しだい独立どくりつなくっちゃ元来がんらい学校がっこう以上いじょうあくる日あくるひからほか世話せわなんぞなるものじゃないからいま若いわかいものきん使うつかうみちだけ心得こころえきん取るとるほう全くまったく考えかんがえないよう ちちこのそとまだ色々いろいろ小言こごといっ
そのなかむかしおや食わくわもらっいまおや食わくわれるだけなどいう言葉ことばあっ
それわたくしただ黙っだまっ聞いきい
小言こごと一通りひととおり済んすん思っおもっわたくし静かしずかせき立とうたとう
ちちいつ行くいくわたくし尋ねたずね
わたくし早いはやいだけ好かっよかっ
お母さんおははさんもらいなさいそうましょう そのわたくしちちまえ存外ぞんがいおとなしかっ
わたくしなるべくちち機嫌きげん逆らわさからわ田舎いなか出ようでよう
ちちまたわたくし引き留めひきとめ
お前おまえ東京とうきょう行くいくたくまた淋しくさびしくなる何しろなにしろおのれお母さんおははさんだけからそのおれ身体しんたいさえ達者たっしゃなら好いよいこの様子ようすじゃいつきゅうどんなことないいえない わたくしできるだけちち慰めなぐさめ自分じぶんつくえ置いおいあるところ帰っかえっ
わたくし取り散らしとりちらし書物しょもつ坐っすわっ心細こころぼそそうちち態度たいど言葉ことば幾度いくど繰り返しくりかえし眺めながめ
わたくしそのまたせみこえ聞いきい
そのこえこのなか聞いきい違っちがっつくつく法師つくつくほうしこえあっ
わたくしなつ郷里きょうり帰っかえっ煮え付くにえつくようせみこえなか凝とじっと坐っすわっいるへん悲しいかなしい心持こころもちなることしばしばあっ
わたくし哀愁あいしゅういつもこのむし烈しいはげしいおとともこころそこ沁みしみ込むごむよう感ぜかんぜられ
わたくしそんないつも動かうごか一人ひとり一人ひとり見詰めみつめ
わたくし哀愁あいしゅうこのなつ帰省きせい以後いご次第しだい情調じょうちょう変えかえ
油蝉あぶらぜみこえつくつく法師つくつくほうしこえ変るかわるごとくわたくし取り巻くとりまくひと運命うんめい大きなおおきな輪廻りんねうちそろそろ動いうごいいるよう思わおもわ
わたくし淋しさびしそうちち態度たいど言葉ことば繰り返しくりかえしながら手紙てがみ出しだし返事へんじ寄こさよこさない先生せんせいことまた憶い浮べおもいうかべ
先生せんせいちちまるで反対はんたい印象いんしょうわたくし与えるあたえるてんおい比較ひかくうえ連想れんそううえいっしょわたくしあたま上りのぼりやすかっ
わたくしほとんどちちすべて知りしり尽しつくし
もしちち離れるはなれるすれ情合じょうあいうえ親子おやこ心残りこころのこりあるだけあっ
先生せんせい多くおおくまだわたくし解っわかっなかっ
話すはなす約束やくそくそのひと過去かこまだ聞くきく機会きかいとく
要するようする先生せんせいわたくしとっ薄暗かっうすぐらかっ
わたくしぜひそこ通り越しとおりこし明るいあかるいところまで行かいかなけれ済ますまなかっ
先生せんせい関係かんけい絶えるたえるわたくしとっおおいな苦痛くつうあっ
わたくしははもらっ東京とうきょう立つたつ日取りひどり極めきわめ
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