或阿呆の一生

16/51

十六 枕

第 16 章
彼かれは薔薇ばらの葉はの匂においのする懐疑かいぎ主義しゅぎを枕まくらにしながら、アナトオルあなとーる・フランスふらんすの本ほんを読んよんでゐた。
が、いつかその枕まくらの中なかにも半身はんしん半はん馬神うまかみのゐることには気づかきづかなかつた。
16/51