或阿呆の一生

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三十一 大地震

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それどこ熟しじゅくし切つきつあんずにおい近いちかいもの
かれ焼けあとやけあと歩きあるきながらかすかこのにおい感じかんじ炎天えんてんつた死骸しがいにおい存外ぞんがい悪くわるくない思つおもつたり
死骸しがい重なりかさなりじゅうつたいけまえ立つたつ見るみる酸鼻さんび云ふいふ言葉ことば感覚かんかくまと決してけっして誇張こちょうないこと発見はっけん
殊にことにかれ動かしうごかしじゅうさんとし子供こども死骸しがいだつ
かれこの死骸しがい眺めながめなん羨ましうらやまし近いちかいもの感じかんじ
神々かみがみ愛せあいせらるるもの夭折ようせつかう云ふいふ言葉ことばなど思ひ出しおもひだし
かれ姉やねえや異母いぼおとうといづれいえ焼かやか
しかしかれあねおっと偽証罪ぎしょうざい犯しおかしため執行しっこう猶予ゆうよなかからだだつ
だれかれ死んしんしまへ善いよい かれ焼け跡やけあと佇んたたずんまましみじみかう思はおもうはられかつ
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