或阿呆の一生

44/51

四十四 死

44
かれひとりゐるみゆきまど格子こうしおびかけ縊死いししよう
おびくび入れいれ見るみる俄かにわか恐れおそれ出しだし
それなん死ぬしぬ刹那せつな苦しみくるしみため恐れおそれなかつ
かれ度目どめ懐中時計かいちゅうとけい持ちもち試みこころみ縊死いし計るはかること
するちよつとしかつたあとなんかれぼんやりなりはじめ
そこ一度いちど通り越しとおりこしさへすれひつしまふ違ひちがひかつ
かれ時計とけいはり検べしらべかれ苦しみくるしみ感じかんじいちぶん二十にじゅうなんびょうだつ発見はっけん
まど格子こうしそとまつあんだつ
しかしそのあんなか荒あらしいあらあらしいにわとりこえ
44/51