或阿呆の一生

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二 母

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狂人きょうじんたちみな同じおなじやう鼠色ねずみいろ着物きもの着せきせられ
広いひろい部屋へやそのため一層いっそう憂欝ゆううつ見えるみえるらしかつ
かれとう一人ひとりオルガンおるがんむかい熱心ねっしん讃美歌さんびか弾きひきつづけ
同時どうじまたかれとう一人ひとり丁度ちょうど部屋へやまん中まんなか立ちたち踊るおどる云ふいふより跳ねはねはつ
かれ血色けっしょく善いよい医者いしゃ一しよいっしよかう云ふいふ光景こうけい眺めながめ
かれははじゅうねんまえ少しすこしかれとう変らかわらかつ
少しすこしかれ実際じっさいかれとう臭気しゅうきかれはは臭気しゅうき感じかんじ
ぢや行かいか 医者いしゃかれさき立ちたちながら廊下ろうかつてある部屋へや行つおこなつ
その部屋へやすみアルコオルあるこおる満しみたし大きいおおきい硝子がらすつぼなか脳髄のうずい幾ついくつ漬つひつ
かれある脳髄のうずいうえかすか白いしろいもの発見はっけん
それ丁度ちょうどたまご白味しろみちよつと滴らしたらし近いちかいもの
かれ医者いしゃ立ち話たちばなしながらもう一度いちどかれはは思ひ出しおもひだし
この脳髄のうずい持つもつおとこ××電燈でんとう会社かいしゃ技師ぎしつたいつも自分じぶん黒光りくろびかりする大きいおおきいダイナモだいなも思つおもつ かれ医者いしゃ避けるさけるため硝子窓がらすまどそと眺めながめ
そこ空きあき破片はへん植ゑうえ煉瓦れんがへいそとなんなかつ
しかしそれ薄いうすいこけまだらぼんやりしろませ
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