或阿呆の一生

18/51

十八 月

第 18 章
彼かれは或あるホテルほてるの階段かいだんの途中とちゅうに偶然ぐうぜん彼女かのじょに遭遇そうぐうした。
彼女かのじょの顔かおはかう云ふいふ昼ひるにも月つきの光りひかりの中なかにゐるやうだつた。
彼かれは彼女かのじょを見送りみおくりながら、(彼かれ等とうは一面識いちめんしきもない間がらあいだがらだつた。
)今までいままで知らしらなかつた寂しさびしさを感じかんじた。
……
18/51