或阿呆の一生

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二十六 古代

第 26 章
彩色さいしきの剥げはげた仏ふつたちや天人てんじんや馬うまや蓮れんの華はなは殆どほとんど彼かれを圧倒あっとうした。
彼かれはそれ等とうを見上げみあげたまま、あらゆることを忘れわすれてゐた。
狂人きょうじんの娘むすめの手てを脱しだっした彼かれ自身じしんの幸運こううんさへ。
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