行人

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自分じぶんあに夫婦ふうふなかどうなること思っおもっ和歌山わかやまから帰っかえっ
自分じぶん予想よそうはたして外れはずれなかっ
自分じぶん自然しぜん暴風ぼうふうあめつぎあにあたま一種いっしゅ旋風せんぷう起るおこる徴候ちょうこう十分じゅうふん認めみとめかれまえ引き下っひきさがっ
けれどその徴候ちょうこうねー行っいっじゅうぶん十五じゅうごぶん話しはなしいるうちほとんど警戒けいかい要しようしないほど穏かおだやかなっ
自分じぶんこころうちこの変化へんか驚いおどろい
針鼠はりねずみよう尖っとがってるあのあにわずか丸め込んまるめこんねー手腕しゅわんなおさら敬服けいふく
自分じぶんようやく安心あんしんようかお晴々はればれ輝かかがやかはは見るみるだけ満足まんぞくあっ
あに機嫌きげん和歌わかうら立つたつ変らかわらなかっ
汽車きしゃうち同じおなじことあっ
大阪おおさかなお続いつづい
かれ見送りみおくり岡田おかだ夫婦ふうふ捕まえつかまえ戯談じょうだんさえ云っいっ
岡田おかだきみお重おしげなん言伝ことづてない 岡田おかだ要領ようりょうとくないかおお重おしげさんだけです聞き返しききかえし
そうさきみ仇敵きゅうてきお重おしげ あにこう答えこたえ岡田おかだやっとついいうかぜ笑いわらい出しだし
同じおなじ意味いみなぞ解けとけけんさん笑いわらい出しだし
はは予言よげん通りとおり見送りみおくり佐野さのようやく笑うわらう機会きかいよう憚りはばかりなくくち開いひらい周囲しゅういひと驚かしおどろかし
自分じぶんそのまでねーどうあに機嫌きげん直しなおし聞いきいなかっ
その後そのあとついぞ聞くきく機会きかいもたなかっ
けれどこういう霊妙れいみょう手腕しゅわんもっいる彼女かのじょあれこそあのあに対したいし始終しじゅうああこう括っくくっられる思っおもっ
そうその手腕しゅわん彼女かのじょわざと出しだしたり引込ひっこめましたりする単にたんに場合ばあいばかりなく全くまったく己れおのれ気ままきまま次第しだい出しだしたり引込ひっこめましたりするあるまい疑ぐっうたぐっ
汽車きしゃれいごとく込み合っこみあっ
自分じぶんとおる仕切りしきり付いついいる寝台しんだいやっと思いおもいよん買っかっ
よん一室いっしつなっいる都合つごう大変たいへん好かっよかっ
あに自分じぶん体力たいりょく優秀ゆうしゅう男子だんし云ういうわけ婦人ふじんほう二人ふたりしたベッドべっどとうがっうえ
自分じぶんしたねーよこなっ
自分じぶん暗いくらいなか走るはしる汽車きしゃひびきうち自分じぶんしたいるねーどう忘れるわすれることできなかっ
彼女かのじょこと考えるかんがえる愉快ゆかいあっ
同時どうじ不愉快ふゆかいあっ
なん柔かいやわらかい青大将あおたいしょう身体しんたい絡まからまれるよう心持こころもち
あにたにいち隔てへだて向うむこう
これ身体しんたいいるより本当ほんとう精神せいしんいるよう思わおもわ
そうそのいる精神せいしんぐにゃぐにゃれい青大将あおたいしょう筋違すじかいあたまからあしさきまで巻きまき詰めつめいるごとく感じかんじ
自分じぶん想像そうぞうその青大将あおたいしょう時々ときどき熱くあつくなったり冷たくつめたくなったり
それからその巻きまきよう緩くゆるくなったりきんなったり
あに顔色かおいろ青大将あおたいしょう熱度ねつど変ずるへんずるたびそれからその絡みつくからみつく強さつよさ変ずるへんずるたび変っかわっ
自分じぶん自分じぶん寝台しんだいうえはん想像そうぞうごとくはんゆめごとくこの青大将あおたいしょうねー連想れんそうやまなかっ
自分じぶんこのようねむり駅夫えきふ呼ぶよぶ名古屋なごや名古屋なごや云ういうこえきゅう破らやぶらいま記憶きおくいる
その汽車きしゃおとはたり留るとまる同時どうじさあいうあめおと聞こえきこえ
自分じぶん靴足袋くつたびうら湿気しっけ感じかんじ起き上るおきあがるあしほう当るあたるまどごみじょしゃ張っちょうっあっ
自分じぶんいそいまどへい換えかえ
ほかひとどう思っおもっ聞いきいこたえなかっ
ただねーだけあめ降り込むふりこむよういうやむうえから飛び下りとびおりまたまどへい換えかえやっ
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