彼岸過迄

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ぼく不安ふあんなっ
ははかお見るみるたび彼女かのじょむいそのその姑息こそく送っおくっいるようすまなかっ
一頃ひところ思い直しおもいなおしでき得るうるならはは希望きぼう通りとおり千代子ちよこ貰っもらっやりたい考えかんがえ
ぼくそのためわざわざようない田口たぐちいえ遊びあそび行っいっそれなく叔父おじ叔母おば様子ようす
かれぼくはは肉薄にくはく応ずるおうずる準備じゅんびもっぼく疎んずるうとんずるようもとぶりくち挙動きょどうけっして示さしめさなかっ
かれそれほど浅薄せんぱくまた不親切ふしんせつ人間にんげんなかっある
けれどかれむすめ未来みらいおっとぼくかれいかに憐れむあわれむべく映じえいじ遠きとおきまえからぼく見抜いみぬいところちっとも変化へんか来さきさないばかり近頃ちかごろなっますますその傾がかしが著るきるしくなるよう思わおもわ
かれだいいちぼく弱々しいよわよわしい体格たいかくぼく蒼白いあおじろい顔色かおいろ婿むこがわないつもりらしかっ
もっともぼく神経しんけい鋭どくするどく動くうごく性質せいしつからもの誇大こだい考えかんがえ過しすごしたり要らいら僻みひがみ起しおこしたりするへいよくある自分じぶんむね収めおさめ委しいくわしい叔父叔母おじおば観察かんさつ遠慮えんりょなくここ述べるのべる非礼ひれい憚かりはばかりたい
ただ一言ひとこと云ういうかれその当時とうじ千代子ちよこぼくよめしよう明言めいげんだろう
少なくすくなくともやっいいぐらい考えかんがえだろう
その後そのあとかれ社会しゃかい占めしめとく地位ちいかれ背中せなか合せあわせ進んすすん行くいくぼく性格せいかくじゅう実行じっこう便宜べんぎ奪っうばっただ惚けぼけかかっ空しいむなしい義理ぎり抜殻ぬけがらかれあたまどこ置き去りおきざり行っいっ思えおもえ差支さしつかえないある
ぼくかれあらゆるひと結婚けっこん問題もんだいつい多くおおく語るかたる機会きかい持たもたなかっ
ただある叔母おばぼくこんな会話かいわ取りとりかえ
さんもうそろそろ奥さんおくさん探ささがさなくっちゃなりませ姉さんあねさんとうから心配しんぱいいるようです好いよいあったらはは知らししらしやっ下さいくださいさんおとなしくって優しいやさしい親切しんせつ看護婦かんごふようおんないいでしょう看護婦かんごふようよめないって探しさがしだれ来手きてあるまい ぼく苦笑くしょうながら自らみずから嘲けるあざけるごとくこう云っいっ今までいままで向うむこうすみなん千代子ちよこ不意ふいくび上げあげ
あたし行っいっ上げあげましょう ぼく彼女かのじょ深くふかく
彼女かのじょぼくかお
けれど両方りょうほうともそこ意味いみある何物なにもの認めみとめなかっ
叔母おば千代子ちよこほう振り向きふりむきなかっ
そう御前ごぜんようむきだしがらがらものなんさん入るはいるもの云っいっ
ぼく低いひくい叔母おばこえうちなめるようまた怖れるおそれるよう一種いっしゅひびき聞いきい
千代子ちよこただからから面白おもしろそう笑っわらっだけあっ
その百代子ひゃくだいしそば
これあね言葉ことば聞いきい微笑びしょうながらせき立ったっ
形式けいしき具えそなえない断りことわり云わいわ解釈かいしゃくぼくしばらくまたせき立ったっ
この事件後じけんごぼく同じおなじ問題もんだい関しかんしはは満足まんぞく買うかうため努力どりょくますますくずよしなくなっ
自尊心じそんしん強いつよいちちぼく神経しんけいこういうてんおい自分じぶん驚ろくおどろくくらい過敏かびんある
もちろんぼくそのおり叔母おば対したいしけっして感情かんじょう害しがいしなかっ
こっちからまだ正式せいしき申し込みもうしこみ受けうけない叔母おばああよりほか意向いこう洩らしもらしほう無かっなかっだろう思うおもう
千代子ちよこ至っいたっなん云おういおう笑おうわらおういつとぐろまりない彼女かのじょむねなかそのままそと表わしあらわし過ぎすぎない考えかんがえ
ぼくその千代子ちよこ言葉ことば様子ようすから察しさっし彼女かのじょぼくところたがっないことだけ従前じゅうぜん通りとおりたしか認めみとめ同時どうじもし差し向いさしむかいぼくははしんみり話し込まはなしこまたらええそういうわけならよめ上げあげましょうそのすぐ承知しょうちない限るかぎるまい思っおもっ私かわたくしかかかりねん抱いいだいくらいある
彼女かのじょそう云ういう平気へいき自分じぶん利害りがいおや意思いし犠牲ぎせい供しきょうし得るうる極めてきわめて純粋じゅんすいおんなぼくつねから信じしんじからある
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